ジョー・ディナポリ氏は、フィボナッチ級数の第一人者として世界的に有名なトレーダーで、その手法は絶大な支持を集めています。人間が無意識のうちに38.2や61.2という黄金率を利用している点に着目し、これを先行指標としてトレードに活用するのが特徴です。

概要

ディナポリ手法「シングルペネトレーション」でトレードを行うためのMT4インジケーターです。

本インジケーターを使うと簡単にシングルペネトレーションのトレードができます。

エントリータイミングは、LINEメールチャートのスクリーンショットが送られますので、チャートを確認してエントリーできます。

毎時指定時刻に、LINEメールチャートのスクリーンショットを送信することもできます(月〜土6:55間毎時1回5分間隔で設定可能)

ディナポリ氏のトレードテクニックである「シングルペネトレーション」は、別名を「ブレッド・アンド・バター(天の恵み)」ともいい、比較的確率の高いトレード手法で急騰・急落があった後、そのトレンド方向の押し・戻りを拾います。

書籍は「ディナポリの秘数フィボナッチ売買法―押し・戻り分析で仕掛けから手仕舞いまでわかる」(初版2004年11月1日、パンローリング出版)で17,600円です。

トレード手法

シングルペネトレーションのトレード手法を簡単に説明します。分からないことがあっても注文以外はインジケーターが全て自動で行うので安心してください。

下のチャート(EURJPY 4時間足)で説明します。本ページの画像はクリックで拡大します。

急騰中に移動平均線(緑)を割ってきたら、フィボナッチリトレースメント38.2%(橙)で買い注文します。ストップロス(S/L・損切)は61.8%(橙)で、テイクプロフィット(T/P・利確)は逆フィボナッチリトレースメント61.8%(青)です。シンプルです。

BUY:122.449 フィボナッチリトレースメント38.2%(橙)
S/L :122.182 フィボナッチリトレースメントの61.8%(橙)
T/P :122.649 逆フィボナッチリトレースメント61.8%(青)

実際のリアルトレードの結果です。約20pipsの利益になりました。(スプレッドは除く)

レートが、BUYのラインを一旦下抜け(またはタッチ)した後の戻りを確認してからのエントリーが安全です。(レートがBUYとS/Lの間にある時に逆指値注文、またはBUYを上抜けした時に成行注文)

S/L以下になった場合は、エントリーを見送ります。

損切り注文は、S/Lの少し下に設定します。パラメーターで、チャート左上のS/Lに表示するマージンを設定できます。

売り注文はこの逆パターンになります。

シングルペネトレーションはトレンドフォロー型です。強いトレンドの継続の後に、一旦の押し戻しが入り、その反発した一部分を抜き取るという保守的であり高確率な手法になります。

エントリーのタイミングで、S/Lが明確に決まっているため、初心者にもお勧めのトレード手法です。押し・戻りが確定するとT/Pも決まります。

S/Lが明確になっていると、注文ロットがコントロールできるため資金管理上有利になります。例えば、今回はS/Lが20pipsなので資金管理上許容範囲の1万通貨でエントリーするなどが事前に決められます。

シングルペネストレーションは、シンプルなトレード手法ですが、多くのトレードチャンスを見つけようとすると、多通貨ペアを複数の時間軸で同時にモニターする必要があります。フィボナッチリトレースメントを引き直して、エントリー条件が成立しているのかチャートごとに判断する必要があり、多大な労力が必要です。手法はシンプルなのに手間が掛かります。

本インジケーターを使うと注文以外は、全て自動で行います。

フィボナッチリトレースメントを自動で引いて、シングルペネストレーションの条件が成立していると矢印が表示されます。

シングルペネトレーション中のベストな注文タイミングでアラーム音の再生、アラート表示、スマートフォンMT4にプッシュ通知とメールを送信します。注文価格とT/PとS/Lが通知されるため、席を外していても、外出していてもエントリーのチャンスを逃しません。

シングルペネトレーションのトレード手法を詳しく説明します。

移動平均線は、DMA(Delay Moving Average)という期間3を右に3つ表示移動したラインを使います。時間軸は1時間以上を推奨しますが、短い時間軸でも機能するので、いろいろ試してみてください。

  1. ローソク足の終値でDMAを割ることなく8本以上、上昇または下降している。
    これを「スラスト」(急騰・急落)と呼びます。
  2. DMAを割り込んだ時点で、フィボナッチリトレースメントを引く。
  3. フィボナッチリトレースメント38.2%でエントリーする。
  4. フィボナッチリトレースメント61.8%の少し下に損切りを設定する。
  5. 逆フィボナッチリトレースメントの61.8%で利確する。

本インジケーターは、DMAを自動的に引いてスラストを見つけるとカウントアップを始めます。スラストが8本以上でDMAを割り込むと自動的にフィボナッチリトレースメントと逆フィボナッチリトレースメントを引きます。注文価格とS/Lを表示するので、その通りに予約注文を入れるだけです。押し・戻りが確定するとT/Pが決まるので、表示されるT/Pを注文に追加します。

あとは、利確されるのを楽しみに待つだけです。もちろん損切りの可能性もあります。リスクリワードは利益の方が小さいですが、勝率が高いためトータルで利益が出る手法であると言えます。

中級者以上は、フィボナッチリトレースメントを基準に裁量を入れてトレードしてみるもの良いかもしれません。押し(戻り)が弱そうなら早めにエントリーする、利益が伸びそうだから分割決済するなどのアレンジになります。

本インジケーターは、リペイント(再描画)はありませんが、T/Pラインを決める逆フィボナッチリトレースメントは押し(戻り)の深さに追従するので、安値(高値)が確定するまで変化します。

全ての通貨ペアと全ての時間軸で使用することができます。相性の良い通貨ペアを見つけてください。時間軸は大きいほど、利益も大きくなりますが、損失も大きくなります。エントリーの発生チャンスは、時間軸が小さい方が多いです。

下のチャートは、GBPUSDの4時間足です。
16本のスラストが発生し、17本目でDMAを割り込みました。
スラストの1本目の安値とスラスト期間中の高値にフィボナッチリトレースメント(橙)が自動的に引かれます。買い注文価格は38.2%、S/Lは61.8%になります。
スラスト期間中の高値とDMAを割り込んだ安値に逆フィボナッチリトレースメント(青)も同時に自動的に引かれます。T/Pは押しが確定した時の61.8%になります。
チャート左上に注文情報が表示され、橙○で買い注文し、青○で利確、約50pipsの利益になりました(スプレッドは除く)。

買い注文のS/Lは61.8%(橙)より少し下に設定します。

下のチャートは、USDCHFの4時間足です。
11本のスラストが発生し、12本目でDMAを割り込みました。
スラストの1本目の高値とスラスト期間中の安値にフィボナッチリトレースメント(橙)が自動的に引かれます。売り注文価格は38.2%、S/Lは61.8%になります。
スラスト期間中の安値とDMAを割り込んだ高値に逆フィボナッチリトレースメント(青)も同時に自動的に引かれます。T/Pは戻りが確定した時の61.8%になります。
チャート左上の注文情報が表示され、橙○で売り注文し、青○で利確、約21pipsの利益になりました(スプレッドは除く)。

売り注文のS/Lは61.8%(橙)より少し上に設定します。

下の動画は、ドル円の1時間足のチャートです。再生時間は約4分間です。シングルペネトレーションが3回記録されています。

 

上位時間軸及び現在の時間軸のダウ理論のトレンド方向にエントリーを限定することで勝率を上げましょう。「ダウ理論トレンドモニター」との併用をお勧めします。現在が上目線(買い目線)なのか、下目線(売り目線)なのかが、一目で分かります。

エントリーのチャンスを増やすため、下の画像の様に複数通貨ペアを時間軸を切り替えながらモニターすることをお勧めします。エントリーのチャンスが発生したら、指値または逆指値の予約注文を入れます。予約注文に掛からなくても注文が執行されないだけなので損失は発生しません。

チャートは、本インジケーターに加え「ダウ理論トレンドモニター」の戻り高値・押し安値を表示しています。

機能

  • スラストが8以上になるとローソク足にカウントを表示
  • 注文価格とS/Lの基準になるフィボナッチリトレースメントを表示
  • フィボナッチリトレースメントの起点と終点は手動で調整可能(*1)
  • T/Pの基準になる逆フィボナッチリトレースメントを表示
  • シングルペネトレーション中であることを矢印で表示
  • 注文価格とT/P、S/Lを表示(T/P、S/Lはpipsでも表示)
  • S/Lに表示する価格のマージンを設定可能(61.8%から少し離れた価格で表示可能)
  • 過去のスラストカウント、注文価格、T/P、S/Lを表示(過去検証ができます)
  • エントリータイミングをアラートで通知
  • アラート音を再生
  • アラートダイアログを表示
  • アラートは、スマートフォンのMT4にプッシュ通知
  • アラートは、チャートのスクリーンショットをLINEに通知
  • アラートは、チャートのスクリーンショットをメールに送信
  • 毎時指定時刻に、LINEメールチャートのスクリーンショットを送信(月〜土6:55間毎時1回5分間隔で設定可能)

移動平均線の種別(単純移動平均/指数移動平均/平滑移動平均/加重移動平均)や期間、フィボナッチリトレースメントのレベル値などがパラメーターとして自由に設定できるので、いろいろとアレンジしたトレードが可能です。

*1:時間足を変更した場合は、インジケーターが初期化されますのでもとの位置に戻ります。

注文情報表示

チャート左上に下記の注文情報を表示します。

  • 注文情報を更新したバーの開始時刻(MT4時刻)
  • 注文種別(BUY/SELL)と注文価格
  • T/P:テイクプロフィット(利確価格)[pips]
  • S/L:ストップロス(損切価格)[pips]

過去チャートの検証

過去のスラストカウント、注文価格(BUY/SELL)、T/P、S/Lが表示されるため、チャートで検証ができます。

注文価格、T/P、S/Lは、シングルペネトレーションが成立していた間のフィボナッチリトレースメントの各レベルがラインで引かれます。

データウィンドウには、値が表示されます。

各ラインの色は、「色の設定」で変更してください。

ラインを表示しない場合は、色を「None」に設定します。

1:BUY
2:SELL
3:T/P
4:S/L

チャートシフトMTF」を使うと、下位足のチャートを同期させて精度の高い検証ができます。

↓チャートはクリックで拡大します。

アラート

アラートのタイミングは、2種類から選択できます。

上昇スラストのシングルペネトレーションは、1本前のローソク足の安値が注文価格の下にあり、現在のローソク足のレートが注文価格以上になった場合、または、1本前のローソク足の終値が注文価格の下にあり、現在のローソク足のレートが注文価格以上になった場合です。

パラメーター「アラートは1本前の終値で判定」を「true」に設定すると、「終値」になります。

デフォルトは「false」で「安値」です。デフォルト設定の方が、エントリーの機会が多いです。

下降スラストのシングルペネトレーションも同様で、「高値」になります。

パラメーター「アラートは1回のみ通知」を「true」に設定すると、初回の条件成立時のみ通知される様になります。

アラートには、下記の種類があります。

  • アラート音
  • アラートダイアログ
  • スマートフォンMT4通知
  • LINE通知(チャートのスクリーンショットが送れます)
  • MT4のメール送信
  • インジケーター独自のメール送信(チャートのスクリーンショットが送れます)

アラートとは別に、月〜土曜日6:55の間の毎時指定時刻に、LINEとメールにチャートのスクリーンショットを送信する機能があります。毎時1回5分間隔で設定できます。

詳しくは、「アラート機能」のページをご覧ください。

アラートで通知される内容は、下記になります。

アラートのタイトル* + 通貨ペア + 時間足  + メッセージ* (*:パラメータで設定)
JST:アラート検出時刻(日本時間)
MT4:検出したローソク足の時刻(MT4時間)
通貨ペア [時間足]
Rate:現在レート
注文種別(BUY/SELL)と注文価格
T/P:テイクプロフィット(利確価格)[pips](通知時点のT/Pのため更新の可能性あり)
S/L:ストップロス(損切価格)[pisp]
メッセージ

インストール

インジケーターのインストール方法を説明します。

Ver 1.02から、LINE通知とインジケーター独自のメール送信用のライブラリファイルが追加されています。

インジケーターを動作させるためには、ライブラリファイルを正しく配置して、設定する必要があります。

  1. MT4のファイルメニューの「データフォルダを開く」を選択します。
  2. 「MQL4¥Indicators」フォルダに「abcFX_SinglePenetration_xxxxxxxx.ex4」を保存します。
  3. 「MQL4¥Libraries」フォルダに「abcFX_NotifyLibrary.dll」を保存します。
  4. MT4を再起動します。
  5. インジケーターをチャートに、ドラッグ&ドロップします。
  6. 開いたダイアログの「全般」タブから「DLLの使用を許可する」をチェックします。
  7. チャート左上に「Authentification Success : by GogoJungle」と表示されれば、Web認証完了です。
  8. LINE通知を行うには、パラメーターの「LINE通知設定」をします。
  9. メール送信を行うには、パラメーターの「メール送信設定」をします。

パラメーター

デフォルトパラメーターのままチャートにセットするだけで使用できます。

デフォルトパラメーターは、シングルペネトレーションの正式な値になっています。

パラメーターは沢山ありますが、ほとんどが表示に関するものです。

全ての表示項目の表示/非表示や色やラインをカスタマイズできるようになっています。

「移動平均線の表示移動」は、0以上で設定してください。

「フィボナッチは選択可能」を「true」に設定すると、クリックまたはダブルクリックでフィボナッチを選択できるようになります。

「フィボナッチは選択状態」を「true」に設定すると、最初から選択状態になります。(「フィボナッチは選択可能」が「true」の場合)

ダウンロード

MT4 ディナポリ手法「シングルペネトレーション」
最新バージョン:Ver 1.14 (2022年11月19日)
abcFX_SinglePenetration.ex4 (Ver 1.13)
abcFX_NotifyLibrary.dll (Ver 1.04)
GogoJungleからダウンロード

■Ver 1.00 (2019年6月29日)
・リリース

■Ver 1.01 (2019年8月13日)
・チャートの左上に表示するコメントのパラメーターを追加
・注文ラインでアラートの表示機能を追加
・通知及びメール本文の情報を追加

<追加されたパラメーター>
・注文情報の色
・注文情報のフォント
・注文情報のフォントサイズ
・注文情報のコーナー
・注文情報のX座標
・注文情報のY座標
・注文情報の行間隔
・注文ラインでアラートを表示

■Ver 1.02 (2020年7月12日)
・キー操作による表示/非表示機能を追加
・LINE通知機能を追加
・インジケーター独自のメール機能を追加
・バージョン情報にアイコンを追加
・パラメーターグルーピングタイトルを追加
・パラメーター名を一部変更
・フィボナッチの表示設定に逆フィボナッチが連動するように変更
・アラートのフォーマットを一部変更
・情報表示のデフォルト設定を一部変更
・スラストカウント色のデフォルト設定を一部変更
・内部処理を最適化

<追加されたパラメーター>
・表示切替キー
・情報は常時表示
・BUYアラートのメッセージ
・SELLアラートのメッセージ
・LINEに通知
・LINEアクセストークン
・LINE通知にチャートを付ける
・(LINE)スクリーンショットの幅(ピクセル)
・(LINE)スクリーンショットの高さ(ピクセル)
・LINEにチャートを通知するキー
・LINEにチャートを定時通知
・メールを送信
・メールにチャートを付ける
・(メール)スクリーンショットの幅(ピクセル)
・(メール)スクリーンショットの高さ(ピクセル)
・メールにチャートを送信するキー
・メールにチャートを定時送信
・SMTPサーバー
・SMTPポート番号
・SMTPログインID
・SMTPパスワード
・SMTP発信元
・SMTP送信先

■Ver 1.03 (2020年8月15日)
・アラートの条件に1本前のローソク足の「安値(高値)」が注文価格の下(上)にある場合を追加

<追加されたパラメーター>
・アラートは1本前の終値で判定

■Ver 1.04 (2020年8月16日)
・過去のBUY、SELL、T/P、S/Lをラインで表示する機能を追加

■Ver 1.05 (2020年9月1日)
・同じシングルペネトレーションではアラートを1回に限定する機能を追加

<追加されたパラメーター>
・アラートは1回のみ通知

■Ver 1.06 (2021年2月3日)
・abcFX_SinglePenetrationのパラメーター「SMTPサーバー」を「smtp.gmail.com」に変更
・abcFX_NotifyLibraryをGmailに対応

■Ver 1.07 (2021年2月7日)
・内部処理を最適化

■Ver 1.08 (2021年3月7日)
・フィボナッチの起点となる安値/高値を最適化
・アラート表示の内容を一部変更
・LINE通知を最適化
・メール送信を最適化

<追加されたパラメーター>
・フィボナッチの起点検索バー数

■Ver 1.09 (2021年3月10日)
・フィボナッチの起点と終点を変更できる機能を追加
・内部処理を最適化

<追加されたパラメーター>
・フィボナッチは選択可能
・フィボナッチは選択状態

■Ver 1.10 (2021年12月24日)
・情報表示のT/P値がパラメーター「逆フィボナッチのレベル1値」を反映していなかったため改修

■Ver 1.11 (2022年2月8日)
・表示切替キーの非表示状態で、通貨ペアまたは時間足を切り替えたときにラインが表示されてしまう問題を改修
・表示切替キーで表示状態に切り替えるときに、パラメーター「移動平均線を表示」が「false」のときにラインが表示されない問題を改修
・表示切替キーの非表示状態で、パラメーター「情報は常時表示」を「true」に変更したときに情報が表示されない問題を改修

■Ver 1.12 (2022年5月15日)
・移動平均線をプラス側に表示移動した分が表示されるように変更

■Ver 1.13 (2022年8月6日)
・LINE通知の暗号通信プロトコルを変更

■Ver 1.14 (2022年11月19日)
・パラメーター「アラートは1本前の終値で判定」が「false」の場合、1本前の足の安値がBUYラインを下抜けし、現在足がBUYラインを上抜けしたタイミングでアラートしていたのを、現在足の安値がBUYラインを下抜けしている状態で、ライブレートがBUYラインを上抜けしたタイミングでアラートするように変更。SELLについても同様に変更。

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